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猫に言葉、私に忍耐

  • spielen0622
  • 4月18日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月24日



“ねばならない”を揺るがせて

素の自分に出会う場所。

心理セラピスト、エリナのブログへようこそ。




気の向くままに、ゆっくりお好きに〜*









キジトラのペコと暮らし始めて9年目。

満8歳と言ったら、猫生では立派な中年。




けれど中身は子猫のまま、

甘えん坊で人見知り。




内弁慶で、飼い主への主張は

強くて、うるさく、はっきりしてる。




可愛くてしかたのない家族だけど

困っていることが一つある。




毎朝3時過ぎ、又は2時半すぎに



「遊ぼう、遊んで、 お庭に出して」



と起こされる。



どうすれば飼い主が起きるか、

彼はしかと心得ている。



枕元に座って耳元で、

みゃあみゃあ鳴き出す。

頬やおでこに猫パンチ。

最終的には

鼻や唇をぺろっと舐めてくる。



突然の湿っ気と気持ち悪さに

「ギャア!」と飛び起きる。




布団をかぶって拒否しても

数十分後にはまた繰り返される。




結果、寝不足つづきの毎日。




猫は薄明薄暮性とはいえ、

さすがに早すぎやしませんか、

ねぇペコさん…








そんなある日、SNSで

「猫は言葉を理解する」

という投稿を目にした。




多くの人が体験談を綴っている。




ものは試し、

彼の目をしっかり見据えて

語りかける。




「ペコ、お願いだから

朝の3時や4時に起こさないで」




「ちゃんと寝たいの。お願い」




気まずそうに目線を外し、

じと目になるペコ。




「5時にはお庭に出してあげるから、ね。

お願いだから。」




何度か繰り返していると、

勢いよく逃げていった。




なにやら気まずいものは

感じているらしい。




翌朝、頬をはたかれて目が覚める。

やたらうるさく鳴いている。




時計を見ると、4:30──!




思わず褒めちぎり、

撫で回して

ベランダのガラス戸を開ける。




私は再び布団に戻り入眠。




どうやら5時までは待てなかったけど、

かなり我慢してくれた模様。





これまでも、察してくれることは

幾度もあった。




帰宅時、玄関に着く前に

だいぶ手前から

ガラス戸越しの玄関内の

人感センサーで照明がつく。




悪夢にうなされて、

夜中に目を覚ますと

駆け寄ってきては

手の甲を舐めたり

頬に擦り寄ってくれたり。




言葉にしなくても

こちらの感情や

状態に気づいてくれる。




そして今回、ペコは言葉も

理解した上での行動だったのだろうか。




飼い主の体感としては、

簡単な単語なら理解している。




自分の名前、ごはん、

おやつ、おいで、

かわいい、大好き、

ダメ、寝よう、などなど。




「理解する」というより、

共鳴、共感、察する、感じ取る。




そんな感じ。




私たちが「空気を読む」と表現する

その感覚によく似ているように思う。




こちらの動き、姿勢、表情、

声色、発話、全体の雰囲気から

何かを捉えているような。




非言語コミュニケーションは

コミュニケーションの

9割を占めるとも言われる。




たしかに、誰かとのやり取りで

話している内容と

表情や声色がちぐはぐだと、

違和感を覚える。




たとえば

ニコニコしながら

辛い思い出を語るとき。




怒っていると言いながら

泣いているとき。




そう考えるとペコは

言葉にのせた気持ちを

感じ取ったのかもしれない。





なおかつ、夜中に起こした時に

私が喚くときの言葉の音を

覚えていたのかもしれない




やめて、寝かせて、眠い、お願い




こんこんと詰められたときに

「これはあの時のあのやつだな!?」

みたいな気配を感じ取ったのかも。





それは、感情を乗せた言葉も

理解した、と言えなくもないかもね。




よくわかんねえけどこれは今

ぼく責められてるな

いつものあの時と同じこと言われてるし…




みたいな。




気持ちを込めて接すれば、

汲み取ってくれることも、ある…!?




そんなことを考えた今日一日。




人も、人間である前に「生きもの」

生きもの同士のコミュニケーション

と、考えれば

不思議なことでもない。





通じているかどうかは

猫のみぞ知る。




それはそれとして

安らかな眠りを得るべく

ペコに渾身のプレゼンを挑む毎日。



 
 
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